2011.10.18 uodate  連載記事
構造家 森部康司氏へのインタビュー
(2011/9/26昭和女子大学 森部研究室にて)

ヨコヲノ森ーー
この度は構造塾のレクチャーをお引き受けいただき、ありがとうございます。今回で3回目の開催になりますが、貴重なレクチャーになると思っています。まずは、前回レクチャーして頂いた坪井さんからのご紹介という事で、お二人の関係などお話頂けますか?

森部ーー
私は、以前オーク構造設計という会社に勤めていました。その時に、構造家の佐藤淳さんが時折、事務所に出入りしていました。自分が入社して1年ぐらい経った頃、佐藤さんが初めてスタッフを採用したのですが、それが坪井さんでした。それから、事務所の飲み会等で顔をあわせる様になり、今でも仲良くさせてもらっています。

ヨコヲノ森ーー
ありきたりの質問なのですが、 なぜ構造家になろうと思ったのでしょうか?

森部ーー
学部3年の頃、新建築などの専門誌に載っている設計者の出身大学を見ていて、佐々木睦朗さんを筆頭に構造設計の分野で活躍されている先輩方がたくさんいる事を知り、この大学の構造系のゼミには何かあるのではと考えたことが一番大きい理由かもしれません。また授業や質問を通して私の所属した研究室の先生、松井徹哉先生個人の魅力に引き付けられたことも理由の一つです。

ヨコヲノ森ーー
卒業後、オーク構造設計に入られます。入社に至る迄のエピソードはなにかありますか?

森部ーー
大学での休み時間の折、当時名古屋大学で教鞭を取られていた佐々木睦朗さんと、たまたまトイレで一緒になりました。そこで、アトリエを紹介された。「君はアトリエに興味はあるか?」とかそんな感じで。他にも就職活動をしていたんですが、なんか勢いで興味あります、と答えてしまいました。それをきっかけに新谷さんを紹介していただき、その後5年間お世話になりました。

ヨコヲノ森ーー
ところで構造設計のおもしろい部分って、どんなところですか?

森部ーー
難しいですね。正直しんどい部分が圧倒的です。締め切りにはいつも追われていますし、休日も返上で仕事している様な状況でもあります。ただ、自分を信頼して仕事を発注してくれる建築家の気持ちに答えたいという一心でしょうか。

ヨコヲノ森ーー
仕事をする上で、大事にしている部分はどんなところですか?

森部ーー
オーク構造設計にいた時に新谷さんから受けた影響が大きいですが、建築家が実現したいと思う建築や空間を、なるべくそのまま実現させてあげるのが、構造家としての大事な職能だと思ってやっています。

ヨコヲノ森ーー
最後に、こちらからレクチャーの内容についてお願いがあります。レクチャーの中で紹介する作品を3作品までとして頂きたいという事です。さらに、その中に1つコンペなどで実現しなかったプロジェクトも紹介して頂ければと思います。

森部ーー
時間が余りそうですね。

ヨコヲノ森ーー
時間は余っても構いません。質疑応答という形で参加者と議論して頂く時間として使わせてもらいます。作品の紹介というよりかは、そのプロジェクト、もしくは一連のプロジェクトで森部さんがどういう事を考えていたか、という部分に焦点をあてられればいいなあと思っています。

森部ーー
わかりました。少し考えてみます。

ヨコヲノ森ーー
お忙しい所、お時間をとって頂きありがとうございました。それでは、当日楽しみにしております。

<終>




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